2005年6月12日

曲を生かすも殺すもアレンジ次第

CDとか聴いて「いい曲だなぁ~」って思うこと、よくありますね。
こういう場合、一般的には曲の良さは意識するけれど、
編曲の良さはあまり気に留めないケースが多いと思います。
勿論、コアな素材としての曲が良くなければ人の心を動かすことはできないと思いますが、
その素材をフルに生かすのが編曲(アレンジ)というものだと思います。
そう思うようになったのには理由がありまして・・・

JAZZの場合、スタンダード・ナンバーは良く取り上げられます。
スタンダードを演奏する場合、ミュージシャンは演奏し古されたその素材を、
より自分らしくプレイするために自身の解釈をもって演奏します。
曲に対する解釈を基にした何らかのオリジナルな要素がなければ、
単に人の真似ごとになってしまい、
そのプレーヤーのクオリティが疑問視されるケースが多いのです。
この解釈とは、ソロにおけるインプロビゼーション(即興演奏)に表れることも多いですが、
基本的には曲をどのようなテンポ、リズム、ノリで演奏するかというところから始まると言っていいでしょう。

GRP ALL-STAR BIG BANDのアルバムは、
それまで私があまり聴かなかったビッグバンドの演奏に興味を持たせてくれたものですが、
その中でアレンジャーとして活躍している Michael Abene (マイケル・アベーニ)という凄い人を知りました。
このアルバムは、GRPレコードの10周年を記念したお祭り要素もあるもので、
基本的に親しみやすいスタンダード・ナンバーをビッグバンドのフォーマットで演奏しています。
ところが中身はお祭りどころか非常に濃くて、
聴き古されたスタンダードがメチャメチャ斬新なアレンジで展開されるスリリングさを味わうことができます。
Abeneが編曲を担当しているのは「Sister Sadie」と「Airegin」ですが、
後者は特に考えつくされた音の重なりや構成を持った、素晴らしいものになっています。
後に来日し、日本でのライブ演奏も発売されていますが、その中の「Oleo」を聴いて、
文字通りブッ飛びました。
こんな「Oleo」、想像もできなかった。。。
それまでビッグバンドといったら Gil Evans や Marty Paich なんかも聴いていましたし、
”ルパン三世”のテーマなんかはカッコ良くて凄く好きでした。(高橋達也と東京ユニオンだったっけな・・?)
しかし、この Abene という人・・・、
頭の中はどんな構造になっているのか不思議に思えるくらい、凄い編曲をします。

前にこのブログで書いた冨田恵一というひと。
スピッツのトリビュートアルバムで、スピッツがヒットさせた「楓」という美しいバラードを、
ヴォーカルにユーミンを迎え、見事なまでに軽妙なポップス調に仕上げています。

やっぱりアレンジって大切なのですね。曲の良さを引き出すために。。。

GRP ALL-STAR BIG BANDGRP ALL-STAR BIG BAND LIVE!一期一会 Sweets for my SPITZ

トラックバックURL

このエントリーのトラックバックURL:
http://nardis.sakura.ne.jp/web/mt/mt-tb.cgi/32

トラックバック

» GRP All-Star Big Band / Same from Feelin' Free
GRPレーベルの10周年を記念してGRPレーベルに縁のあるヒトを集めて作られた企画バンド。多分最初は一発きりのバンドにしようかと考えていたと思うのですが、評判がよくこの後にも何枚かCDがリリースされてます。日本版ではプレイズ・ジャズ・スタンダーズという副題がつい... 続きを読む

コメント

トラックバックありがとうございます。

同じ曲をどう演奏しているかはよく聴きますねー。

スタンダード、オリジナル共に好きな曲が入っているアルバムは気になって

買ってしまうことが多いです。そんなことばっかりしてるので、パソコンで曲名順にすればずらずらと同じ曲が並びます。



そんな比較がすぐできるジャズだから、アレンジを良く聞くようになるのも

当然だと思いますよ。その人の解釈を聞くという点では、編曲は静的なインプロビゼーションと言えるかもしれませんね。

コメントありがとうございます。



> 編曲は静的なインプロビゼーションと言えるかもしれませんね。



上手い表現だなぁ・・・。絶妙!(^^;)

コメントする

(初めてのコメントの時は、コメントが表示されるためにこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまでコメントは表示されませんのでしばらくお待ちください)