2006年8月29日

米タワーレコード倒産

米タワーレコードが倒産した。
倒産といってもチャプター11だから、日本で言う会社更生法であって、もう立ち直れないというわけでもないようなのだが・・・。
タワーレコードといえば、我々世代にとってはブランドである。
田舎から10代で東京に出てきて、タワーレコード1号店である渋谷店に足を踏み入れる度に、なにか聖地入るような感覚を覚えたものだ。
タワーレコードのTシャツを着ている若者も多かったし、あの黄色に赤い文字の躍る袋に買ったばかりのLPを入れて街を歩くことすら、何か特別な想いがあった。

この倒産劇、当初は「iPodやiTunesを代表とするダウンロード型ビジネスモデルに負けたことが原因」と報道されていたが、よく参考にしている中島聡さんのブログによれば、どうもそればかりではないらしい。
以下、引用。

Walmart、Coscoなどのディスカウントストアは、食料品や日用品を買いに来た消費者に、発売したばかりの売れ筋のCDやDVDを山積みにして購買意欲を刺激し、「この曲、ラジオで良くかかっているな、買っておこう」「今は、こんな曲が流行っているのか、聴いて見よう」と他の買い物の『ついで』に購買させる作戦で大きく売り上げを伸ばして来たのだ。
それにより、Tower Recordなどの「レコード店」はCD発売当初の一番おいしい部分を持っていかれることになってしまったのだ。
すると後は「専門店」としての強みを出すために「品揃え」などで差別化してがんばるしかないのだが、こと「品揃え」に関しては、ロングテールの王者、Amazonの足元にも及ばないので、これがまた問題である。

つまり、消費者側からすると、発売したばかりの売れ筋CDを買うなら他の買い物のついでにディスカウント・ストアで買えば良いし、ある程度こだわったレアなCDを確実に手に入れたいのであればAmazonで買うのが一番理にかなっているのである。

(中略)

言い換えれば、Tower Recordは、ベストセラーをディスカウント・ストアに、ロングテールをAmazonに、若年層を違法ダウンロードに、アーリー・アダプターをiTune Music Storeに奪われるという、いつ倒産してもしかたがない状態にあったのである。


いかにも厳しい、ビジネスモデルの淘汰である。

今日日、レガシーなビジネスは、新興勢力にとって代わられる。
Amazonや音楽ダウンロードビジネスは、いわゆる”装置産業”である。
リアルな店舗を持った専門店は、いつまでもパレートの法則に依存していると、足元をすくわれる時代になってしまったのかもしれない。

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