すごいものを入手してしまった。

「Kind of Blue」といったら、それはもう、ジャズ界において不屈の名盤である。
モード奏法を確立した歴史的意義としても名高いアルバムであるが、このアルバムにおける5曲"So What"、"Freddie Freeloader"、"Blue In Green"、"All Blues"、"Flamenco Sketches"以外のテイクといったら、今現在公開されているのは"Flamenco Sketches"の別バージョン(アルタネート・テイク)くらい。
しかし、このアルバムの録音の様子を収録した音源があったのである。
その名も、「Studio Sessions & Outtakes: Kind Of Blue Sessions」。
"Flamenco Sketches"にもともと別テイクがあったことは、この音源を聞いてみてもわかる。
その他の曲については、演奏が中断されたりして、"テイク"まで至っていないことが理由で、今まで発表されていないということなのだろう。
しっかしまぁ、この音源を聴いていると、何だか聴き手のほうまで張り詰めてしまう。
"Blue In Green"のセッションを例にとると・・・
雑談・・・
(staff) Just you 4 guys in it, right Miles? (この4人でいいんだね?マイルス。)
(Miles) Fine. (いいよ。)
イントロ演奏・・・中断
(staff) Take 2!(テイク2)
イントロ演奏・・・マイルスソロ・・・中断
囁き声(聞き取れず)
(staff) Okay? Take 3!(いいかい?テイク3だ。)
イントロ演奏・・・マイルスソロ・・・中断
(カウント)one, two, three, four...
イントロ演奏・・・マイルスソロ・・・エヴァンスソロ・・・コールトレインソロ(中断)
マイルス小言・・・エヴァンス小言・・・
(staff) Take 4!
(staff) Try in again!(もう一回やろう。)
(スタッフとマイルス・・・小言)
(miles) Go ahead!
(※英語及び和訳に関しては責任持てませんw)
このような展開の後、あの完璧なブルー・イン・グリーンの演奏が始まる。
「Kind of Blue」に収録されている"Blue In Green"においては、マイルスはもとより、ビル・エヴァンス、ジョン・コールトレインのソロは、どれをとってもまさしく完璧なのだが、その演奏(Take 4ということになるのだろう)に至るまでは、エヴァンスもコールトレインも、何となく迷いがあるようなソロを取っている。
マイルスですら、イントロからテーマに入れないケースがあったりなのだ。
で、そのような経緯がありながら、その後のTake 4で、突然完璧な演奏を繰り広げる。
この展開を耳にすると、鳥肌が立つほど感激する。
名盤に隠れて、こんな音源があったのね・・・。
知らなかった。
ちなみにこのアルバムは、マニアの間で秘かにCD-Rでやりとりされている。
いつかは正式に発売されるでしょう。
ファンが放っておくはずない。
Miles Davis - Studio Sessions & Outtakes: Kind Of Blue Sessions
- Freddie Freeloader Session (13'38)
- So What Session (12'53)
- Blue In Green Session (11'13)
- Flamenco Sketches Session (24'10)
- All Blues Session (11'53)
Miles Davis (tp)
John Coltrane (ts)
Bill Evans (pf)
Cannonball Adderley (as)
Paul Chambers (b)
Jimmy Cobb (ds)
Wynton Kelly (pf)