ビル・エヴァンスに対する評価
ビル・エヴァンスに対する人々の評価を引用します。
オリン・キープニュース(プロデューサー)
Orrin Keepnews (producer)
Listen, as I like to do at times, for the recurring evidence that he never entirely put aside his early affection for Bud Powell. 私が時々好んでやることですが、ふとした時に現れる、彼が生涯バド・パウエルへの若き日の思慕を完全に忘れたことはなかったという事実の形跡に、耳を傾けてみるのもよいでしょう。
Orrin Keepnews (producer)
Listen, as I like to do at times, for the recurring evidence that he never entirely put aside his early affection for Bud Powell. 私が時々好んでやることですが、ふとした時に現れる、彼が生涯バド・パウエルへの若き日の思慕を完全に忘れたことはなかったという事実の形跡に、耳を傾けてみるのもよいでしょう。
チック・コリア (ピアニスト)
Chic Corea (pianist)
ビルは僕にとって、繊細なタッチで絹やヴェルヴェットのような質感のピアノ・サウンドを出していた、最初のピアニストだった。 ボストンにいた頃、僕はまだクラシックのピアニストの演奏をあまり聞いたことがなかったんだけど、ビルみたいに滑らかで美しいタッチのピアノの虜になってしまった。 彼のピアノの繊細な音色は、僕の目標だった。 Bill was the first jazz pianist whose fine touch set a standard of silky, velvety piano texture for me. I hadn't listended to classical pianists very much when I was growing up in Boston, and so hearing a touch as smooth and beautiful as Bill's really grabbed my attention.
Chic Corea (pianist)
ビルは僕にとって、繊細なタッチで絹やヴェルヴェットのような質感のピアノ・サウンドを出していた、最初のピアニストだった。 ボストンにいた頃、僕はまだクラシックのピアニストの演奏をあまり聞いたことがなかったんだけど、ビルみたいに滑らかで美しいタッチのピアノの虜になってしまった。 彼のピアノの繊細な音色は、僕の目標だった。 Bill was the first jazz pianist whose fine touch set a standard of silky, velvety piano texture for me. I hadn't listended to classical pianists very much when I was growing up in Boston, and so hearing a touch as smooth and beautiful as Bill's really grabbed my attention.
マイルス・デイビス (トランペット・プレイヤー)
Miles Davis (trumpet player)
■ Kind of Blue について・・・
ビルの演奏には、いかにもピアノという感じの、静かな炎のようなものがあった。
奴のアプローチの仕方やサウンドは、水晶の粒や、澄んだ滝壷から流れ落ちる輝くような水を思い起こさせた。
だから、はじめのうちはソフトなものを中心に、今までとは別の曲をやってた。 ビルのスタイルに合わせて、バンドのサウンドをもう一度変える必要があったからだ。
奴がバンドと一緒に音階を弾くと、リズムをかいくぐるような感じがして、大いに気に入った。
レッド(・ガーランド)はリズムそのものを生み出したが、ビルは控え目に押さえて弾いていた。 だからモードをやっている時はビルのやり方のほうがずっと効果的だった。
Miles Davis (trumpet player)
■ Kind of Blue について・・・
ビルの演奏には、いかにもピアノという感じの、静かな炎のようなものがあった。
奴のアプローチの仕方やサウンドは、水晶の粒や、澄んだ滝壷から流れ落ちる輝くような水を思い起こさせた。
だから、はじめのうちはソフトなものを中心に、今までとは別の曲をやってた。 ビルのスタイルに合わせて、バンドのサウンドをもう一度変える必要があったからだ。
奴がバンドと一緒に音階を弾くと、リズムをかいくぐるような感じがして、大いに気に入った。
レッド(・ガーランド)はリズムそのものを生み出したが、ビルは控え目に押さえて弾いていた。 だからモードをやっている時はビルのやり方のほうがずっと効果的だった。
エディ・ゴメス (ベーシスト)
Eddie Gomez (bassist)
彼がピアノから繰り出す素晴らしい音色にどっぷりと浸かり、彼が私のベースソロにつける透き通ったような美しい伴奏に我を見失い、自分のソロに集中できなかったことが、どれだけあったことか・・・。
Eddie Gomez (bassist)
彼がピアノから繰り出す素晴らしい音色にどっぷりと浸かり、彼が私のベースソロにつける透き通ったような美しい伴奏に我を見失い、自分のソロに集中できなかったことが、どれだけあったことか・・・。
マーク・ジョンソン (ベーシスト)
Marc Johnson (bassist)
■ エバンスが何故最後の最後まで何故演奏しつづけたのか、という問いに対し、
もう僕たちは彼の身体の具合が本当に悪くなって極限に来ていることも判っていた。
だからクラブで顔を合わせるたびに「病院に行ってください」って頼んだんだ。
けれど彼はいつも「いいんだ」と言って、手を振るだけだった。 本当に最後は泣きたくなるほど悲しかった。
このままでは絶対に死んでしまう、と心の中で何度も何度も叫びながらいっしょに演奏していた。
その時の気持ちがどんなにつらかったか、これは言葉では言えないし、理解してもらえないと思う。
彼の指はもつれ、ほとんど満足にピアノを弾ける状態ではなかった。
結局最後にドラマーのジョー(・ラバーバラ)が車を運転して病院に運んだんだけど、医者が呆れるほどの手遅れだった。
■ 最後のプレイ・・・
ともかく手が異常に膨れていて、鍵盤を押さえると隣の鍵盤にも触れてしまう状態だった。
それでも彼は最後の気力を振りしぽるようにして全身全霊で演奏に取り組んでいた。
一音一音別れを惜しむような感じでね。
音のひとつひとつを愛おしむように弾き出すことで、彼なりの別れを告げていたのかもしれない。
テクニックがどうとかいう問題ではなく、スピリチュアルな世界に彼はいたのだろう。
ジョーと僕のふたりは彼のピアノについていくだけだった。
最後に演奏した曲は今でもはっきりと覚えている。
「マイ・ロマンス」。
もう言葉では言い尽くせないほど胸に迫る演奏だった。
終わってしばらく涙が止まらなかった・・・。
Marc Johnson (bassist)
■ エバンスが何故最後の最後まで何故演奏しつづけたのか、という問いに対し、
もう僕たちは彼の身体の具合が本当に悪くなって極限に来ていることも判っていた。
だからクラブで顔を合わせるたびに「病院に行ってください」って頼んだんだ。
けれど彼はいつも「いいんだ」と言って、手を振るだけだった。 本当に最後は泣きたくなるほど悲しかった。
このままでは絶対に死んでしまう、と心の中で何度も何度も叫びながらいっしょに演奏していた。
その時の気持ちがどんなにつらかったか、これは言葉では言えないし、理解してもらえないと思う。
彼の指はもつれ、ほとんど満足にピアノを弾ける状態ではなかった。
結局最後にドラマーのジョー(・ラバーバラ)が車を運転して病院に運んだんだけど、医者が呆れるほどの手遅れだった。
■ 最後のプレイ・・・
ともかく手が異常に膨れていて、鍵盤を押さえると隣の鍵盤にも触れてしまう状態だった。
それでも彼は最後の気力を振りしぽるようにして全身全霊で演奏に取り組んでいた。
一音一音別れを惜しむような感じでね。
音のひとつひとつを愛おしむように弾き出すことで、彼なりの別れを告げていたのかもしれない。
テクニックがどうとかいう問題ではなく、スピリチュアルな世界に彼はいたのだろう。
ジョーと僕のふたりは彼のピアノについていくだけだった。
最後に演奏した曲は今でもはっきりと覚えている。
「マイ・ロマンス」。
もう言葉では言い尽くせないほど胸に迫る演奏だった。
終わってしばらく涙が止まらなかった・・・。
ジャズ批評社「ジャズ批評60 ビル・エバンス」
小川隆夫氏 Bill Evans Last Days より